■２００３年１２月９日(火） ＳＥＶＥＮ−ＺＯＯ−ＳＥＶＥＮ １ｓｔ Ｄｏｃｕｍｅｎｔａｒｙ Ｍｏｖｉｅ
「青く、ただ青く」プレミアム上映会
舞台挨拶：ＴＡＭＡＭＩＺＵ、松岡充 他 ＩＮ 渋谷公会堂
「充くんとＴＡＭＡちゃんが何かやるらしい。」
そんな事を知ったのは２００３年の頭の事だった。
後に７ｚｏｏ７が立ち上げられ、詳細が少しずつ発表になっていく。
そこでやっとわかってきたのが「ＴＡＭＡちゃんが充くんのプロデュースでデビューするらしい」という事。
ＳＯＰＨＩＡと同じ時を駆け抜けてきたバンド、ＣＡＳＣＡＤＥ。
私がＳＯＰＨＩＡを知る切欠になった、中学時代のＳＯＰＨＩＡファンの友達は
ＣＡＳＣＡＤＥも好きで、中学時代に薦められて良くＣＤを借りてたっけか。
そんなＣＡＳＣＡＤＥの解散を知って、「またＳＯＰＨＩＡと同世代のバンドが解散かぁ」と寂しく思っていた。
あれからどれくらいがたったのだろう。
ＴＡＭＡちゃんと充くんがタックを組む。
この２人は私たちの期待を絶対に裏切らないという確信が何故だかあった。
２００３年２月にフジテレビ系で放送された深夜番組「自分電視台」で充くんがエンディングに歌っていた曲。
それがＴＡＭＡちゃんのデビューシングルとなる「みにくい反逆児」だった。
この番組の放送終了後、ＳＯＰＨＩＡファンの間で話題になった、あの曲。
そのまま時は流れ、秋口。
７ｚｏｏ７でプレミアム上映会が行われる事が発表になった。
７ｚｏｏ７のＨＰでの発表は、ずっとじらしていた。
ＨＰを開くと自然と開かれる小窓。
そこに黒バックに青い文字で「青く、ただ青く」という文字が出たり消えたりしているだけ。
訳がわからない。何なのこれは？と、まんまと７ｚｏｏ７の思惑に嵌まっ行った。
そしてやっと発表になったのが、「渋谷公会堂でドキュメンタリームービーを上映する」という事。
なんで７ｚｏｏ７で映画を作っているのか、サッパリわからなかった。
でも発表になった時から行く事は決めていた気がする。
上映会の日にちが近づくにつれて、ＴＶなどで充くんを良く見るようになった。
ＳＳＴＶの「ゴゴイチ」には７ｚｏｏ７のフルメンバーでのゲスト出演。
それでも当日の上映会についての詳しい話はしてくれなかった。
一体、何を見せてくれるのか？
期待は日々膨らんでいった。
１２月９日、火曜日。
「青く、ただ青く」上映会当日。
一緒に行く友達とお昼過ぎに渋谷で待ち合わせをした。
久しぶりに会った事もあり、近況の話しから、懐かしい思い出話を沢山した。
１８時３０分の開場の前に、グッズ販売があると聞いていたので早めに会場入り。
すでに渋公前には沢山のｚｏｏっ子が集まっていた。
グッズは、Ｔシャツ、ポスター、ストラップなど。
迷ったあげく、折角来たから記念にと思ってストラップを購入。
（管理人→写真館参照）
まだ開場まで１時間くらいある。
端によって腰を下ろし、開場時間を待つことに。
気づくと、目の前でスタッフと思われる２人の男性がビデオカメラを回していた。
何とってるのかなぁと思って眺めつつ、すっごく寒くて震えてた。
結局、寒さに耐え切れず、開場時間までお店の中に批難。
開場時間を待った。
１８時３０分、数分前、再び渋公へ。
入口付近には沢山の人。
整理番号順に入場。
私はＢ１８４で割と早い段階で会場に入れた。
入口でアンケートを受け取り、急いで中へ入る。
まだほとんど人が入っていない会場で、１階真ん中通路の前の中央の席を確保。
ステージには小さめな白いスクリーンが下りていた。
何が始まるのかわからないドキドキと緊張で、ソワソワしていた。
スタッフの人の声に促されてアンケートを記入する事にした。
アンケートの内容はこうだった。
どうしても欲しいものがあります。
あなたならどうしますか？
私と友達の腕の動きが止まる。
え？何？？
「どうしても欲しいもの」の「もの」とは「物」なのか「者」なのか。
なんて書けばよいのかわからずにペンが先へと進まない。
迷ったあげく、自分の正直な気持を書いた。
開演時間の１９時を１５分くらい回った頃。
充くんの声でアナウンスが流れた。
これは生だったのか？録音されたものだったのか？わからなかった。
内容ははっきり覚えてないけど。いつもの事ながら面白い事を言って会場を笑わせてた。
そして、最後にこう言った。
充「今日は永野哲志のデビューライブです」
「どういう経緯で永野哲志のデビューが決まったのか」
「それをまとめた映画です」
え？今日はＴＡＭＡちゃんのイベントじゃないの？と映画が始まる前から頭の中は「？」で一杯だった。
映画は、画像の断片から始まった。
電線に止まっているカラスの影。
そして、ＴＡＭＡちゃんが自宅らしい部屋の１室でビデオカメラを持ってガラスの前に立ち、
自分を撮影している映像。
「なんなんだろう、これは」と思ってた瞬間に
突然無音だった会場に大きな音が響いた。
ＴＡＭＡちゃんが鏡を叩き割ったからだ。
急な展開に私は動揺を隠せなかった。
と、思ったら今度はＴＡＭＡちゃんが部屋の中の水槽を覗き込んでいる。
一体何が始まるんだろうか。
先がまったく読めない。
いつの間にか充くんや、永野哲志さんがスクリーンに登場し、ストーリがドンドン流れていく。
映画を見ている時間、私はずっと手には汗をかいていた。
緊張がピンと張り詰めていて、それが会場全体を被っていた。
映画のストーリーはこう。
バンドを解散したＴＡＭＡちゃん。
充くんは「この歌をどおしても歌いたい」という永野哲志さんに『青く、ただ青く』という曲を
提供する事になった。
充くんがＴＶにゲスト出演していて、その番組の中で充くんが歌う「青く、ただ青く」のＰＶらしき映像が流れていた。
その映像を家で見ていたＴＡＭＡちゃん。
後日、ＴＡＭＡちゃんが充くんをお店に呼び出し
「あの曲を僕にくれないか？あの曲で新しい１歩を踏み出したい」と告げる。
「あの曲」とはもちろん『青く、ただ青く』の事。
でもこの曲は永野哲志さんに提供する事がもう決定していた。
充くんはＴＡＭＡちゃんに「あの曲はもう哲志の曲だからＴＡＭＡちゃんにはあげられない」
とつげ、あるチケットをＴＡＭＡちゃんに渡し充くんは店を出ていった。
そのチケットは永野哲志さんのデビューライブのチケット。
チケットには「２００３年１２月９日 渋谷公会堂」と書いてあった。
ＴＡＭＡちゃんはどうしても『青く、ただ青く』という曲が欲しかった。
街中でいたる人に質問する。
「どうしても欲しいものがあります。あなたならどうしますか？」
手に入らないなら諦めると言う人。
欲しいものはどんな事をしてでも手に入れると言う人。
頑張って働いて買うという人。
様々な答えが返ってきた。
ストーリは私たちの気持などは待ってくれず、どんどん先へ進んでいく。
永野哲志さんのデビューライブ当日、１２月９日。
会場は渋谷公会堂。
今日。今私がいる、この場所だった。
渋公に向かっていると思われる車の中で充くんが電話で関係者らしき人と話しをしている。
もうすぐ会場に着く。
その頃、渋谷公会堂前では、この日のデビューライブを楽しみにしていたと思われる沢山の女の子たちの映像が。
あれ？この映像、もしかして？？
そう、この映像は、開場前に私が見た、スタッフさんが録画していた、ついさっきのリアルな映像だった。
ついさっき私が見てた風景がスクリーンに映し出されている。
すごい、凄すぎる。
開場時間になったのだろう。
渋公の入口から女の子たちが急いで会場の中に入っていく。
実はこの映像も、さっき私たちが入口から入ってきた時の映像が使われていた。
リアルすぎて背筋がゾクゾクした。
渋谷公会堂の楽屋では、永野哲志さんが鏡の前に座っていた。
ＴＡＭＡちゃんは割れた鏡のとがった破片を持って、渋公の中へ入っていく。
永野哲志さんのいる楽屋に入ってくるＴＡＭＡちゃん。
２人の距離がどんどん縮まっていき・・・
ＴＡＭＡちゃんは永野哲志さんに向かって鏡の破片を持った手を振り上げた。
その瞬間、充くんが渋公に到着し、２人の入る楽屋に入ってきた。
充くんがＴＡＭＡちゃんに向かって叫んでいた。
オープニングと同じ画像の断片と鏡に映ったＴＡＭＡちゃんが流れていた。
スクリーンが真っ黒になり、下から上へと出演者の名前が白い文字で流れていく。
私の体はまだ緊張から解けていなかった。
衝撃的な結末に頭がまだ着いていけず放心状態のまま、色々な感情が混じって泣きそうになりながら、
ただ流れていく文字を見ていた。
エンドロールとともに流れていたのはＴＡＭＡちゃんが歌う『青く、ただ青く』。
全ての出演者、スタッフの名前が流れ終わったと思ったら
スクリーンが上にあがりだし、幕が上がりだす。
後ろから青い光が一杯に差し込んできた。
足が震える。
信じられない光景が目の前に広がっていた。
ステージにはセンターに立っているＴＡＭＡちゃんとバックバンドの方が３人。
『青く、ただ青く』を生で歌っていた。
気づいたら、ほとんどの人が座っている中、友達と手を取り合って立ち上がっていた。
頭が混乱していて、パニック状態。
震える足にどうにか力を込めて立ち上がっていた。
ＴＡＭＡちゃんが曲を全て歌い終わると「はいカット！」という声とともに拍手をしながら充くんが袖から登場。
会場から拍手が沸き起こる中、充くんとＴＡＭＡちゃんがガッツリ握手をし笑顔で抱きしめあった。
充くんから２００４年３月３日にこの『青く、ただ青く』でＴＡＭＡちゃんがデビューする事を発表。
そして、このプレミアム上映会が全て演出であったことを発表した。
この会場自体にもカメラが入っており、客席の表情も含めた映像を入れて
「青く、ただ青く」のＰＶとしてこの日の映像を使うという事。
映画はまた別でＤＶＤとして発表されるという事でした。
映画の出演者が全員ステージに集まり、充くんから紹介。
軽くみんなで話をして、この日の上映会は幕を閉じました。
７ｚｏｏ７の皆さんが舞台を後にし
会場には公演終了のアナウンスが流れて出した。
その瞬間にずっと張り詰めていた緊張の糸が切れ、一気に涙が溢れてきて
感情がまったくコントロールできない状態に。
席からもなかなか動けなかった。
今、この文を書いてるのが２００４年の１月末。
今、あの日の事を振り返っても、あの時、どういう感情だったのか自分でもわかりません。
なんであんなに震えたのか、泣いたのか。
言葉に出来ない感情だった。
何が始まるかわからずに始まった、あの日のプレミアム上映会。
色んな事を考えさせられ、そして、また新しい景色が見えた気がした。
上映会全てが演出だった事。
フィクションなのかノンフィクションなのかわからないストーリー。
そして、自分がついさっき見ていたリアルな映像。
全ての事が重なり合って生まれた１つの作品。
本当にスゴイとしか言いようがなく。
この文で、ちゃんと伝わっているか、かなり不安ですが。
私の持ってる表現方法の言葉を振り絞って書きました。
少しでも伝わってくれれば嬉しいです。
最後に。私が書いたアンケートの答えは。
どうしても欲しいものがあります。
あなたならどうしますか？
どうしても欲しいモノならどんな事をしてでも手に入れる。
たとえ何かを失ったとしても。